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STAFF BLOG

私の幸せ、あなたの幸せ

2017-09-27
カテゴリ:リハビリ部門紹介,全て見る
花の写真
    こんにちは、言語聴覚士の池田です。
    先日訪問した先でのこと。
    テレビの話題になった時にいつも穏やかなその方が珍しく、苛立ちを隠さずに話しはじめました。
    SNSなどがめざましく普及したことで、個人のプライベートな世界を、他人が簡単に触れることができる時代になりました。高齢なその方にとってはそれが、極めて無粋で乱暴なこと、だというのです。
    
    
    美味しいものを食べました、美しい景色を見に旅に出ました、結婚しました、私幸せです。
    じゃぁそれでいいじゃないか、胸の内にそっと秘めておけば。
    どうしてそれをわざわざ外に見せるんだ。
    誰かがこうして傷付くことも考えずに。
    
    
    その高齢のご夫婦にはお子さんがいません。
    
    子どもでもいればまた違っただろうにねぇ、家族で出かけることはこの上ない幸せだよ。
    そんなセリフに、少しずつ傷付いていったというその方は、それを「幸せの押し売り」と言いました。
    
    それを食べたくても食べられない人もいる。
    子どもが欲しくても授からない人もいる。
    結婚したいのに仕事漬けの人もいる。
    旅行に行きたいのに叶わない人もいる。
    自分の幸せは、他人が必ず共感すると思っている人がいる。その話を誰もが聞きたいと思っている人がいる。共感しなければ、冷たい人だと思う人がいる。いろんな表裏がある。なのにどうしてそんな風になってしまったんだ。
    
    
    「じゃぁそんな情報には自ら触れなければいい」と済ませることもできます。気にしすぎだと言う方も、心が狭いと言う方もいるでしょう。
    “インスタ映え”を気にする時代。かつて美徳とされていたものは薄れ、年齢や性差によっても賛否は当然のことです。でも私には、この方のおっしゃることがとてもよく理解できました。
    
    
    そしていつか話題になった「鈍感力」を、ふと思い出しました。
    挫けるな、たくましく生きろ、とは所謂社会の荒波に飲まれる上で、“私たちが”うまく立ち回ることにとって必要な力です。
    
    同様に「繊細力」なんていうものもあっていい。
    私たちのフィールドで大切なのは、“相手の心”でもあるのです。
    「見なきゃいいじゃん」「気にしすぎ」「ちょっと細かすぎる」…はあくまでも“私たちの心”であって、相手のそれに沿ったものではありません。
    たとえどんなにささやかでも、小さく入ったヒビが少しずつ致命的に広がっていくこともあります。
    
    もちろん、「繊細力」だけを良しとするわけではありません。ただ、繊細であることの大切さも理解し、そんな思い遣りの心を持っているセラピストでいなければ、と思うのです。
    何が鈍感で、何が繊細なのかは、その違いがわからなければ掴めませんし、独りよがりでは決してみえません。
    十人十色、人それぞれ、そんな言葉の表層だけでは足りないのです。
    
    
    
    ひとしきり喋ると、すっかり違う話題にかわりました。それでも私に対して丁寧に言葉を選ぶ、その「繊細力」。
    その様子に、私を思うその過程こそが嬉しいのだなぁとじんわり響きました。
    ここは、私たちが学ぶことのほうがはるかに多い現場です。
 
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